皆さんも、何の目的もなくすることって、あまり意味を感じなくて、いつの間にかどうでも良くなってしまいませんか?
ある調査によると、高齢者のケアの現場で行われているレクリエーションなどのアクティビティの大半が目的が明確でないもの(つまり、何の為にやるのか?不明確なもの)だそうです。
ブンネ®メソッドのいいな、と感じているところは、
自分の意志でセッションに参加していると感じられる。(主体性の発揮。)
自分が「ここにいる」と感じられる。(自尊心を感じる。)
みんなの中の「私」を感じられる。(社会性を感じる。)
今まで演奏出来なかった楽器を演奏出来る。(自分の可能性を感じることができる。)
といった人間誰もが持っている「大切にしたいもの」を実感出来るようなセッションになっていることです。
参加している一人ひとりが、お互いに音楽を通じてコミュニケーションできたり、ある曲を聴くことで思い出がふと頭によぎったり。そういった元々私たちも感じている音楽の力はもちろん、セッションが細かく考えられた一つ一つの局面(ブンネ®メソッドでは、セッションの中がいくつかのパートに分かれていて、それぞれをこう呼んでいます)の組み合わせで、参加する人の大切なもの、大切にしたいものを引き出せる方法=メソッドだと思います。
Q 利用者さん自身の「やりたいこと」なのでしょうか?
もちろん、参加はご本人の意志で。
はじめは「私は楽器なんて演奏したことないし、出来ないわよ。」とおっしゃる利用者さんもたくさんいます。
だからこそ、「楽しいですよ」というところから始まってもいいんじゃないかとも思います。(だって、私たちも友人に誘われて始めたスポーツの虜になったりしますよね。)
どんな人だって、(もちろんどんな年齢でも!)「自分も知らない、他人も知らない私」を発掘出来ると思います。(「ジョハリの窓」より。)
まずは私たち自身がしっかり学んで、理解して、楽しむことから初めていくことも大切だと思っています。
今回は、ブンネ®メソッドを導入するかどうかを検討している中で感じていた疑問に、実際学んで、導入してみてという経験を経てから、いま感じていることを書いてみました。
ブンネ®メソッドについて、詳しくは
Bunne Japanのウェブサイトをご覧下さい。
2014/11/24
ブンネ®メソッドについて
ホームでは、スウェーデン発祥の音楽を使ったケアと言われる、ブンネ®メソッドを2013年に導入しています。
導入にあたっては、ブンネジャパンからインストラクターのカウトさんにホームまで来ていただき、計6日間の研修を実施し、3名のスタッフが1級課程まで、1名のスタッフが3級課程を学びました。
現在では、日常のケアの中に計画的に取り入れています。
スウィングバーギターは、簡単に弾ける楽器ではあるのですが、その楽器を弾くこと自体が目的ではなく、例えば楽器演奏の際の腕の運動、歌を歌うときの体の動きなど「体を動かす」という効果や、誰かと一緒に演奏したり歌ったりということでの集団への参加と、そのことが実感できる時間が持てることでの自尊心の維持の効果等々、ケアの手段としてのメソッドの一部のツールです。(詳しくはBunne Japanのウェブサイトを見ていただければと思います。)
私たちも、はじめてスウィングバーギターに触れたとき、「何だろう?」「面白そう」と感じて弾き始めたら「もっと弾いてみたいな」と思いました。
研修に参加したスタッフは楽器演奏の経験があるスタッフだったのですが、研修がすすんでいくなかで、楽しみながら、笑顔で音楽に触れている姿が印象的でした。
「子供の頃ピアノを習ってたのって、親にやらされてる感じがして、いま(研修で学んでみたら)やっと音楽ってこういうことか、ってわかったような気がする」とニコニコしているスタッフも。
ブンネ®メソッドがスウェーデンで、豊かな人権感覚を土壌として発展してきているからではないかと推測されるのですが、1回30分程度のセッションの一つ一つの局面に、参加する人(ホームでは高齢者の方々が対象ですが、幼児教育、障がい者の方のケアにも使われています。)の主体性、社会性、自尊心などに細かく配慮されているということも学びました。
そして、実際にブンネ®メソッドを利用者さんと一緒に実施してみると、音楽の楽しさと、利用者さんの主体性や社会性への働きかけが組み合わさって、素敵な、豊かな時間が流れます。
ブンネ®メソッドに関しては、今後少しずつブログでも書いていければと考えています。
ブンネ®メソッドについて、詳しくはBunne Japanのウェブサイトを見ていただければと思います。2014/11/11

























